1枚のラバーに込めるバタフライの大きな思いについて、『ロゼナ』の開発を指揮した株式会社タマス代表取締役社長の大澤卓子が語る。
より多くのプレーヤーの要望に応えるラバー
『テナジー』シリーズを展開しているバタフライ(株式会社タマス)が、1年4ヶ月ぶりにハイテンション裏ラバーを発売する。
『テナジー』シリーズは、バタフライ契約選手をはじめとするトップ選手向けに、最高の性能、最高の品質のラバーを目指して開発され、ユーザーからも高い評価を得てきたが、バタフライには1つの課題があった。
その課題とは何か。『ロゼナ』の開発を指揮した代表取締役社長の大澤卓子はこう語る。
「発売から8年以上を経て、今なおトップ選手を中心に『テナジー』シリーズが世界中で高い評価を受けていることは、バタフライ・ブランドの担い手の一人として、この上ない喜びです。
『テナジー』の性能と品質には絶対の自信がありますが、比較的高価なため、価格面で敬遠されがちであるとの認識を持っていました。
そこで、今回、これまでのラバーづくりのノウハウを最大限に生かして、最高レベルに近い性能と品質のラバーをより多くの方に試していただけるよう、新しいラバーの開発に着手しました。そして、長くお客さまからご要望をいただいていた「スプリング スポンジ」を採用したハイテンション裏ラバー『ロゼナ』を発売できることになりました」
バタフライの思いがつくり出した「強くなるためのラバー」
「私たちがこのラバーを開発する上で掲げた目標の一つは、これまでさまざまな理由でバタフライの最高性能、最高品質のラバーを使う機会がなかった皆様に、リーズナブルな価格でバタフライ製品をお届けしたいということでした。そこで、『テナジー』シリーズの開発で培ったノウハウを生かし、可能な範囲で、性能と品質を落とすことなくコストダウンを図りました。
バタフライは、『テナジー』シリーズを『勝つためのラバー』として最上位に位置づけています。今回発売する『ロゼナ』は『強くなるためのラバー』として、将来『テナジー』シリーズで勝利を手にしたいプレーヤーのレベルアップをお手伝いするラバーと位置づけています。
『ロゼナ』は、わずかではありますが、性能面で『テナジー』シリーズに及ばない部分があります。しかし、『強くなりたい』と考えトップ選手を目指すプレーヤーのパフォーマンスを最大限に引き出す十分な性能を備えています。
『ロゼナ』によってプレーのレベルが上がることで、卓球の魅力を再発見できる。そんな可能性を秘めたラバーに仕上がっていると感じています」
それでは、『ロゼナ』はどのようなプレーヤーに向けてつくられたラバーなのか。
「『ロゼナ』は、これから卓球を始める方から全国大会出場を目指すような選手まで、幅広い層のプレーヤーにお使いいただけるラバーです。
私たちは、用具メーカーとしてトップレベルの選手の要望に応えることはもちろんですが、卓球が好きで、少しでも強くなりたいと願うプレーヤーの声にもお応えしたいという強い思いがあります。そうした声に応えることで、卓球の競技レベルの向上に貢献し、卓球というスポーツの魅力を高めていくことも、バタフライの使命と考えています」
このような思いから生まれた『ロゼナ』とはどのようなラバーなのだろうか。開発者の声からその実体に迫ってみたい。